第5回課題公演/劇団あおきりみかん「つぐない」@G/pit(2017.7.7-7.17)
死者も神も声を発しない。問いかけても返ってくるのは、自分の心の決めごと だけだ。それが時に我が身をを傷つけていたとしても気付けない。 主人公の美和は自称「全く罪悪感のない女」だ。周りから酷い女のレッテルを 貼られるのだが当の本人にはそもそもそういった感情がなく理解出来ない。そ の事をなんとかしたくてふと立ちよった教会で水島という男と出会う。彼への 話を聞きながら、彼女の過去が徐々に明らかになる。 幼い頃、両親が離婚した際、父親に付いて行きたいと思っていた美和は父に対 して「妹は母に付いて行きたがってるよ」と嘘を付く。しかし、一年程して父 が亡くなり、再び母妹と女 3 人の生活が始まるのだが、その時の罪の意識から 「過剰な」償いの気持ちが生まれ、結果的に破天荒な振る舞いをするようにな っていた。度が過ぎた美和の行動も内心が分かるととても辛く映る。しかし、 私たちにはどうすることも出来ない。真面目で責任感の強い美和は妹との約束 を頑なに守り自分自身を苦しめる。そんな彼女の償いとはなんだろう。それは、 妹の言いなりになることでも、罪の意識のない女を演じることでもなく、自分 の正直な気持ちに素直になることだ。そんな彼女の心の扉を開いたのは他人と のコミュニケーションだった。人は人と関わり合うことで変わる。2 人の出会い の奇跡に感謝したい。